60th - 63rd par in chap 4

[4-60]

物質は、その中にどれだけの数の自由に動ける電子あるかによって、その物質が電気力に対してどの程度反応するかが大きく変わる。極端な場合の片方はガラスやゴムのような絶縁体である。これらの物質は普通まったく電気を通さない。極端な場合のもう片方は、銅のような電気伝導体である。これらの物質は電荷が動くときにほとんど抵抗を及ぼさないので、電気力が物質の中の電荷に働くとすぐに電荷の流れが生じる(ほとんどの導線はこの2種類の極端な物質の組み合わせでできている:非常によい電気伝導体が非常によい絶縁体で包まれている)。ちなみに、非常に低い温度では、ある物質はまったく抵抗のない超伝導体になる。抵抗が小さい物質と大きい物質の間には半導体がある。半導体では、電荷の動きやすさが物質の組成や状態によって大きく変わる。これらの物質は電気信号を制御するためにトランジスタやコンピュータのチップに使われている。水には普通、電気を帯びた不純物の小さな分子(分子フラグメント)が溶けている。そういった分子は水中で動くことができるので、水はとても良い電気伝導体である。

[4-61]

磁力は電気力と非常に深い関係があり、この2つはひとつの電磁気力の違う側面と考えることができる。どちらも場を通して働くと考えられている。電荷はその周りの空間に電場を発生させ、その電場が他の電荷に力を及ぼす。磁石はその周りの空間に磁場を発生させ、その磁場が他の磁石に力を及ぼす。さらに、動いている電荷は磁場を発生させたり磁場から力を受けたりする。この効果はさまざまな自然現象の根底にある。例えば、地球のコアの中を循環している電流は、大きく広がった磁場を発生させている。この磁場はコンパスの針がさす方向を見るとわかる。

[4-62]

電気力と磁力の相互作用は多くの機械の設計の基礎にもなっている。例えば電気モーター(電流を流すと動く)、発電機(動かすと電流が流れる)、テレビのブラウン管(周期的に変動する磁場によって電荷のビームがさまざまな方向に曲げられる)などがある。もっと一般的に、電場が変動すると磁場が発生し、磁場が変動すると電場が発生する。

[4-63]

他の種類の力は原子の内部でだけ作用する。例えば、強い核力は原子核の中で粒子同士を結び付けており、電気力よりもずっと強い。これは核反応が起こるとき、相対的に大きな量のエネルギーが解放されることからもわかる。